アイスクリームの新ブランドを青山で展開するためのマーケティング講義

今週は、マーケティングのお勉強をすることにしましょう。たとえば、新しくお店がオープンする場合、お客さんをたくさん呼ぶためには、どのような方法を取るのが、グッドでありましょう。まず、考えられるのは、広告です。テレビやラジオのスポット、電車の中吊《なかづ》り、駅張りポスター、屋外ボード、新聞の折り込み、新聞、雑誌への出稿、街頭でのチラシ配布。と、まあ、一口に広告といっても、結構あります。

では、こうした広告以外には、どのような方法があるでしょうか。近年、流行《はや》っているものに、パブリシティーという代物《しろもの》があります。結局は、広告みたいなものなのですが、『ポパイ』編集部の少年に頼み込んで、最初の方のページ、「Pop-eye」に、「新しく代官山の外れにオープンのこのお店は、心なごみのインテリアにして、彼女もニッコリ」なんぞと載っけてもらったり、あるいは、『週刊朝日』の「二人で食事」のページに、「私たち夫婦が贔屓《ひいき》にしていた銀座のレストランで、長らくシェフを勤めていた山中君が自由が丘に自分の店を出した。清楚《せいそ》な細君が、接客係だ。応援してあげようと思っている」と、功なり名遂げた文化人の先生が、現在、別居中の糟糠《そうこう》の妻と一緒にニッコリ登場していらっしゃる。これが、パブリシティーであります。

けれども、はっきし言って、最も効果的なもののひとつは、口コミなのです。これは、本当です。もし、あなたがファッション・メーカーの経営者だったとしたら、競争相手のデザイナーズ・ブランドの人気を凋落《ちようらく》させるのは簡単です。全国の主要都市で、いかにも、それっぽい少年少女を二人一組ずつ、アルバイトとして雇って、ハウスマヌカンやヘア・スタイリストの人が一杯やって来る、これまた、いかにも、それ風なカフェ・バーやディスコで、「ねえねえ、あそこのブランド、デザインがクサイんだ」「そうらしいわね。私の友だちも、みんな着たくないって話」とかなんとか、お喋《しやべ》りさせておけばいいのです。一カ月もたたないうちに、相手の売り上げは、明らかな下降曲線を描き始めるはずです。

同様に、古典的な方法であるにもかかわらず、かなりの効果を発揮するものに、さくらがあります。マーケティングの講義にふさわしく、これについては、ケース・スタディで学んでみることにしましょう。ちなみに、受講生は一〇〇名です。少し多い気もしますが、ここは、民主日本を代表する『朝日ジャーナル』ビジネス・スクールです。

さて、アイスクリームの新ブランドを扱うショップを、いかに成功へと導くか。これが、ケース・スタディです。アイスクリームの新ブランドを扱うショップを成功させるための戦略をいくつか考えてみます。

新ブランドのアイスクリームショップが成功するためには、魅力的でユニークな商品ラインを開発することが重要です。他店と差別化できるユニークなフレーバーやトッピングを提供します。例えば、地元の素材や季節限定のフレーバーなどが人気を集めます。独自のレシピ開発により、味のクオリティを高め、ファンを増やします。素材の質にこだわった高品質なアイスクリームを提供しましょう。

店舗の外観や内装は、顧客に訪れる魅力を与えます。目を引くデザインや明るい色彩を使用し、通行人や通りからの注目を集めるようにします。おしゃれで居心地の良い空間を提供し、顧客がくつろげる環境を作ります。快適な座席や清潔感のある内装がポイントです。

成功するためには、効果的なマーケティングとプロモーション戦略が必要です。InstagramやFacebookなどのソーシャルメディアで魅力的な写真や動画を共有し、フォロワーを増やします。特に可愛らしいデザートや季節限定メニューの投稿は反応が良い場合が多いです。地域のイベントやフェスティバルに出店したり、地元の企業や学校と提携してイベントを開催することで、地域密着型のファンを獲得します。

顧客サービスは、お客様がリピーターになるかどうかを左右する重要な要素です。お客様を笑顔で迎え、親切な対応を心がけます。顧客が居心地の良い雰囲気を感じることが大切です。 顧客からの意見や要望を真摯に受け止め、サービスの改善に反映します。顧客満足度を高めるための努力が重要です。

これらの戦略を組み合わせることで、アイスクリームの新ブランドを扱うショップが成功に向けて歩む手助けになるでしょう。