“理念なき雑誌”にあるのはクサい修身

「雑誌としての理念? そんなもの、ありませんね」『フライデー』副編集長の高橋忠義氏は、そう言いました。去年の一一月五日、よく晴れた日の午後のことです。ちょうど、一カ月前、一〇月五日の夜に開かれた有楽町西武のオープニング・パーティーでカメラマ

精神的ブランドに頼るビートたけしは“日本のレニー・ブルース”になりそこねた

その昔、ビートたけしが、「オレは、日本のレニー・ブルースになるのだ」と、いくつかのインタビューで答えたことがあります。それは、「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」に代表される、ある種のラディカルさを抱えて登場した彼にお似合いな発言でした。

“物を得る充足感”を売る堤清二=辻井喬が“物に頼る寂しさ”を語ることについて

一般的には、堤清二と辻井喬がそれぞれ異なる視点から「物を得る充足感」と「物に頼る寂しさ」について語るということを意味するかもしれません。 堤清二は消費や所有による充足感を重視し、その価値を肯定的に捉えます。彼は物を所有することが個人の満足感

技術の美学の現代建築の中の解釈

人間の創った道具、建築、あるいはスポーツなどというような、人間の技術がつくりあげたものに、私たちがぶっつかった時、美しいなと思うことは、どんな意味をもっているのであろう。 例えば、水泳の時、クロールの練習をするために、写真でフォームの型を何